北斗の男

さて。
80年代を代表する漫画といえば「北斗の拳」ですね。
学校では話題沸騰だったわけですよ。
豆腐屋の息子である井上君も「北斗の掟は俺が守る!」と高らかに宣言しておりました。
彼も今では立派に豆腐屋をやっております。

学校の休み時間などには、適当に友達のコメカミを指で押して
経絡秘孔の一つをついた、お前はすでに死んでいる」なんてね。
「お前の命はあと五秒だ」なんてね。
カウントダウンするわけですよ。
5・4・3・2・1…別に何にも変わりませんよ。きれいなもんです。きれいな顔です。

そんな少年時代を過ごして来たマヒロさんと同世代の皆様は今、何をしておられますか?
君達。1999年に人類が滅亡すると思っていたでしょうに。
少なくとも、北斗の拳的な世界がおとずれるとおもっていたでしょうに。
それがなんですか。彼女だヨメだ子供だと。

俺達が思い描いた未来はもっとワイルド&ダーティな未来だったはずだろう。
食料を求めてバイクで荒野を走る日常。
夜盗と戦うために自警団をつくる日常。
アメフトのプロテクターみたいなのを身に着けて、頭はモヒカンでバギーを駆る日常。
ジートのメンバーと知ってのことか!」とか叫んじゃう日常。
それが俺達の未来だったはずだ。

皆、その日(Ⅹディ))の為に、ちょっと筋トレしてみたり、経絡秘孔を覚えたり、北斗神拳はどこで習えるのかと集英社に問い合わせてみたり、
そんな少年時代だったんだろ?

それが普通だった時代、それが80年代。

我が生涯に、いっぱいの悔いあり。