クラスに一人はいた

クラスに一人はいた、

教壇横の特別席で授業させられるヤツ

親の職業が不明のヤツ

チョークの粉を集めて指先につけて少し舐め、「麻薬だ」というヤツ

日ごろの素行を学級会の議題にされるヤツ

ケンシロウに憧れて秘孔の勉強とかしているヤツ

ケンシロウキン肉マンのどっちが強いかで論争しているヤツ

結局、「アラレちゃんが一番強い」で納得するヤツ

校庭に迷い込んできた犬を手懐けようとするヤツ

めちゃくちゃ下手な絵なのに「元気がいい」という理由だけで賞をもらうヤツ

「犯人が名乗り出るまで授業はしない」と言われ、逆に怖くて名乗り出られないヤツ

中川家礼二似のヤツ

ファミコン持っていないのにカセットだけ買うヤツ

まだ発売されていないゲームを「東京でやった」とか言い出すヤツ

ドラクエⅢの魔法使い(女)に好きな子の名前をつけていて、友達が家に来た時にばれるヤツ

ファミコンのコントローラーのボタン(四角ボタン)が押したまま戻らなくなるヤツ

将来はハドソンの社員になるとか言っているヤツ

コロコロコミックに書いてある事だけが生活のすべてのヤツ

鉛筆の後ろを噛んでガリガリにしちゃっているヤツ

バナナの匂いの消しゴムとか、たまらずに噛んじゃうヤツ

かくれんぼをしていたはずなのに、友達が皆どこかに消えているヤツ

それで結局ひとりで帰るヤツ

そして帰ったときにはすでに友達が皆でファミコンやって遊んでいたという事実を次の日に知るヤツ

野球のグローブがビニール製の玩具のヤツ

自分の自転車が6段切り替えであることが唯一の誇りのヤツ

サッカーをやると、キーパーの横で壁になるというポジションを任されるヤツ

野球をやると一人だけ打順の来ない逆DHにされるヤツ

プールの底の消毒剤の塊を集めようとするヤツ

着替えるのが面倒なので水着を服の下に着てプールに行ったが替えのパンツを忘れるヤツ

夏休みに一度も見かけないヤツ

卒業してから一度も見かけないヤツ